2.診断即治療について

的確な診断が的確な治療

東洋医学には、四診(望・聞・問・切)という基本的な診断がありますが、それらについて述べられた書籍はたくさんありますので、ここでは少し変わった診断の方法を紹介致します。
例えば、骨格の歪みの診断と治療においては、大きく分けると、病因に対しては二つの考え方があります。

  1. 気血の流れが滞り、それが五臓六腑を傷め、やがて骨格の歪みとなるので、気血を整えれば骨格の歪みも治る。(望・聞・問・切等で、陰陽、表裏、寒熱、虚実を診る)
  2. 何らかの原因で骨格が歪み、神経伝達を阻害し、やがて五臓六腑が傷むので、骨格矯正すれば内臓まで治る。(動診や背椎等で、筋・骨の歪や陰陽、虚実を診る)

ですから実際の臨床では、この二つの理論で診断し、二つの治療法で治療をすれば、即効的な治療ができます。

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脊椎と脊椎周辺での診断

脊椎や周囲に現れる凝り痛みによる診断

七星論による脊椎への臓器配置図です。

この配置図に当てはめて、凝りや痛みを探ることで、
どの臓器が傷んでいるかがわかります。
(Copyright by Mitsuroku Shinjo)

脊椎や脊椎周囲には凝りが出やすいもので、原因を特定する方法もいろいろあります。

この脊椎周囲への臓器反射区配置は、七星論独自の配置ですが、この配置を考えるまでには、十数年の時間と、根拠となる理論の検証を繰り返しました。

この図の見方は、
太陽=全ての陽経と関係がある。
水星=腎・膀胱と関係がある。
金星=肺・大腸と関係がある。
地球=心包・三焦と関係がある。
月  =三焦と関係がある。
火星=心・小腸と関係がある。
木星=肝・胆嚢と関係がある。
土星=脾・胃と関係がある。

と診ますので、その位置に現れた凝りや痛みで、臓器器官の疲労や疾病を見つけることができるわけです。

当然、このような配置をするには、それなりの根拠があるのですが、それは、「易学」、「発生学」、「解剖学」「生理学」での説明が必要になってきますので、ここでは診断即治療の「参考」程度にしておきます。

骨格や関節と臓器器官の関係  

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経筋腱収縮牽引理論による診断

体の歪みや現れた症状による診断

内臓と骨格(もしも肝臓が縮んだら・・・例えば、肝硬変)

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経筋腱収縮牽引の原理図
(Copyright by Mitsuroku Shinjo)

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持論・七星論による腹診法

≪いかに早く治すか≫が、このサイトのテーマですので即効性のある治療原理を紹介致します。

この図は、十数年前に作成したもので、詳しくは『究極の特殊針』鰍ゥんぽう刊、で説明してあります。


図の現しているのは、もしも、砂糖・油もの・獣肉・ジュース・お菓子・酒・ドリンク飲料・新薬・加工漢方薬・ビタミン剤・おかずの食べすぎ・などで、お腹の右側にある肝臓に、負担をかけると、お腹の中から引きつりが起こり、それが全身に波及して・・・

1. 頭蓋骨がずれたり(頭痛)
2. 顔が引き吊ったり(顔面マヒ)
3. 肩が下がったり(肩コリ)
4. 腕が上がらなくなったり(五十肩)
5. 手首が痛くなったり(腱鞘炎)
6. 指が引き吊ったり(ヘーベルデン結節)
7. 前かがみになったり(ねこ背)
8. 骨盤が歪んだり(股間節痛)
9. 膝の裏が縮んだり(ひざ痛)
10.足が引き吊ったり(コムラガエリ)
11.足首が引っ張ったり(ねんざ)
12.足指が引き吊ったり(外反拇趾)
  などなど・・・

当然、血管・筋肉・神経も引き吊り、血液循環が悪くなり、血液が濁り、血行不良、体温の低下や上昇で、冷える、痛む、シビレル、マヒする、腐る(壊疽)と、様々な症状が現われてきます。
この現象は肝臓だけではなく、どの臓器が故障しても色々な信号を出してくれます。
山登りや肉体労働などで“筋肉疲労”を感じたら、休憩を取りますが、臓器も飽食によって“労働過剰”になってきたら、休憩をとる必要があります。
臓器にも休憩をさせる目的で、食事内容を改善し、素(粗)食小食にして、良く噛み、内臓に負担をかけないようにすれば、あちこちに出ている症状が自然と改善され、寿命まで“元気”で暮らすことができます。

下のお腹のイラストは、七星論による「腹診法」です。
仰向けに寝て、「水」から順に、図に従って押してみて、痛みやしこりを感じる箇所があれば、それぞれ、水=腎臓・膀胱、 金=肺・大腸、地=心包、月=三焦、 火=心臓・小腸、木=肝臓・胆嚢、土=脾臓・胃、に疲労(機能低下) が起きていると考えます。

骨格の歪みと腹診の図  

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血液の顕微鏡写真

ナマの血液で何がわかる?

 

 


1.正常な赤血球

 

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2.連鎖状赤血球

 

 

 

 

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3.尿酸結晶


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4.糖に着いたタール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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5.白血球の比較

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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6.有棘赤血球

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




7.バクテリア

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8.空洞化赤血球

 

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9.コレステロールが多い血液

 

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10.巨大コレステロール

血液を顕微鏡で観察して、病気の予防や治療に役立てようと研究したことがあり、食事内容を変えたり、睡眠不足をさせたりと、いろいろなパターンで準備実験をした後、80 人ほどの聴講者に集まってもらい、医師立会いの下で、「生の血液顕微鏡観察」と題して、公開実験をした頃の映像です。

1.正常な赤血球の形
赤血球は水分とヘモグロビンからできていて、肺より酸素を取り込み、体中の毛細管を通って各組織に酸素を補給し、二酸化炭素を肺まで運ぶ働きをしています。そのため、弾力性に富み、自在に形を変えて、どのような狭い毛細管でも形を変えて通り抜けられるのが、正常な赤血球です。

赤血球も細胞ですので、時間の経過とともに死にますが、その細胞寿命は約120日(100〜200日)と言われており、体質改善をする時や、漢方薬の効果を観るのに「3ヶ月」と言うのは、この赤血球の寿命(赤血球の入れ替わり)から考えると、わかりやすい。

そこで、赤血球(ヘモグロビン)が少なくなると、体の組織に酸素を十分に運べなくなり、体の臓器や組織に酸素が足りなくなりますので、いろいろな貧血症状がでてきます。
例えば、「貧血症状」として、疲れやすい、めまい、立ちくらみ、動悸や息切れなどがそうですが、2.のように赤血球が連鎖状になっている人も、同じような症状が起ります。

2.連鎖状赤血球
赤血球は、血球中最も多く、約96%を占めているのですが、火事等で発生する一酸化炭素は、酸素よりヘモグロビンへの親和性(結合性)がいいために、火事などが起ると酸欠状態になり窒息してしまいます。
酸欠状態は「血液が汚れた状態」を示しますが、赤血球が連鎖状に連なった時も、同様の状態を示します。歯茎や爪が黒くなっているのは、その状態を現わしていますし、砂糖や高タンパク質の過食でも、赤血球が連鎖してしまい、毛細血管に入れなくなります。

基本的な現代医学では、「赤血球は主に骨髄などで作られる」とされていますが、「千島学説」の「腸造血説」というのがあり、「赤血球は腸で作られる」と説明しています。
これを虹彩学で検討しますと、「腸の汚れた人にアレルギー性疾患や、血液の汚れによる疾病が多い」ことからして、「千島学説」のほうを支持したいと考えています。

ヘモグロビンに必要なのが鉄分で、一般的な栄養学では、老化し破壊された赤血球からリサイクルされ、足りない分は食物から補い、その材料として、黄、レバー、腎臓、心臓などの内臓、骨髄、ほうれん草、etcなど、鉄分を多く含む食品を摂るように説明します。

が、しかし、それらの食品を摂っても、一向に冷え性や貧血症状の解決できない人が多いものです。それは何故かと言うと、不足よりも「害になっている食品の過剰」を考えないからです。

3.尿酸結晶
痛風とは、足趾の関節が痛くなり、「風が吹いても痛い」というぐらい痛みを伴うもので、一般的に「贅沢病」と言われるのは、肉食とアルコールの多い人が発病し、薬では治りませんが、酒池肉林を控えると痛みが治まり、粗食を続けると完治するからです。

発病時は、激痛のために歩行も困難になるので、比較的おとなしくなるのですが、肉食が多いと、攻撃的な性格になりやすいので、痛みが治まると、顔はニコニコしていても、あまり人の言うことを聞いてくれません。

左の写真は、生の血液を撮影したもので、「尿酸結晶」と書かれたのが、通風の痛みの原因を作る「凶器」です。
ガラスの欠片のようになっているのがわかると思いますが、これが血管に刺さるのですから、たまったものではありません。

痛風に関係する病気に、「痛風性関節炎」というのがありますが、それは尿酸が関節内で結晶化し、これが関節腔に遊離すると白血球に貪食されておこる関節炎です。

4.血液の中の糖に付着したタール
左 の写真は、「血液中の糖にタールが着いた映像」です。「血中のタール」と聞けば、すぐに考えてしまうのが「タバコ」だと思いますが、この方はタバコを吸いませんし、過去に吸った経験もありません。
しかも、この方だけではなく、タバコを吸わない人にタールの出る人が多く、タバコを吸っている人に、タールが出てこないのは不思議なことでした。

そうなりますと、嫌煙権主張者は、「副流煙が原因だろう!」と、どこまでも「タバコが原因」を主張したがるし、タバコを吸わない人にとっても、実験結果を疑うと思います。しかし、実験した事実というのは、残酷ですが現実で、結論から言いますと、「血中に糖の多い人が、血中にタールを溜めている」ようです。

2001年に北京へ行った時、北京大学第三病院放射腫瘍科の主任である王○○医学博士が、「北京では近年、肺癌の患者が異常に増えてきて大変だ」と言うものですから、私は「多分、原因は煙草と言うだろう」と思いながら、「その理由は何だと思いますか?」と質問をした。
そしたら、すかさず「環境ですよ、煙草を吸わない人が肺ガンになってくるのが多いのですから」と答えていました。

当院に来た肺ガンの患者さんたちも、多くがタバコを吸わない人たちでしたが、「虹彩分析」をしてみた結果、共通して言えることは、「シュガーリング」があったことです。

それは、都市部における交通機関の排気ガスや、都会の密閉された家屋で発生する化学物質、あるいは環境汚染物質としての粒子状物質の中に含まれる、アスベスト、ダイオキシン、ベンゼン、ホルムアルデヒト、一酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、鉛、などを考えますと、答えが出てきます。

また、【OUR GLOBAL ENVIRONMENT】(我々の地球の環境)の著者Anne Nadaka vukaren博士が、「都会の環境では、田舎に比べて33%もの癌の発生率が高く、その原因は絶対に証明することができない」と述べているように、やはり都会の環境は、人体に悪い影響を作り出しているのです。

昼夜を問わず大量に撒き散らかされる排気ガスを始め、都会の悪い環境から考えますと、タバコなんてのは微々たるものです。
ですから、「喘息訴訟で公害には勝訴しても、タバコには敗訴」するのです。
タバコの害を強調する人は、自らが公害を作り出す車に乗らないことで、都会の環境を良くするように努力するのがいいように思います。

5.アレルギーと白血球の比較
白血球の動きを見ていますと、白血球がバクテリアなどを喰うのが見えますので、映像を見ながら、「俺の白血球よ、いつまでも元気でいろよ!」と声をかけたくなります。

元気な白血球は、バクテリアや異物をどんどんと細胞に取り込んでいって、血液中の異物 を掃除してくれるからで、一見すると白血球自体が一つの生命体のようで、まるでアメー バーのように動きまわっているからです。

ところが、アトピー性皮膚炎の患者さんや、アレルギーのある患者さん、或いは感染症になりやすい(風邪をひきやすい人も含む)患者さんの白血球を見ていますと、白血球の動 きが悪かったり、白血球が小さかったりします。左の写真は、二人の血液映像写真を比べたものですが、右側の映像は白血球の小さいのが一目でわかります。

右側の人の白血球が小さいのがわかります。白血球は骨髄や胸腺などのリンパ組織で分化しますので、東洋医学的な観方をしますと、腎臓と関係があり、アトピー性疾患やアレルギーのある患者さんの≪虹彩分析≫をすると、腎臓区や腎臓に関係のあるところに、マイナスサインを見つけることができます。

血液は大きく分けると血球部分と血漿(けっしょう)部分(液状)に分けることができ、血球に含まれるのは、「赤血球」「白血球」「血小板」で、それらが血液中の約45%を占めていて、残りの約55%が血漿となっています。

白血球は、病原体が体内に入ってきたら、集中して病原体を食べてくれますので、「貪食作用」(細菌や微小な異物を細胞内に取り込む作用)として知られています。これが体に入った異物を拒否する反応の一つで、「免疫作用」(体を守る作用)の一つです。

赤血球が「血球部分」の約96%を占めているのに対し、白血球は血球中の約3%を占めていて、通常は、血液1立方mm中、約6、000〜8、000個。大きさは直径約6〜20μmで、赤血球の7〜8μmという大きさに比べると大きいのが一般的で、血液映像で見ると、赤血球の3倍ぐらいがある人が多いようです。

ただ、白血球は、赤血球のような単一細胞ではなく、数種類のタイプがあり、以下の構成でできています。
1.顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球というのがあり、外部から侵入した細菌を殺す役割をしています)・・・60%弱。
2.リンパ球(T細胞、B細胞というのがあり、細菌や、体の中にあってはいけないものを判断し、攻撃する役割をしています )・・・40%弱。
3.単球・マクロファ−ジというのがあり、貪食作用が主な働きです。・・・5%程度。

そして、白血球が少なくなると、細菌を殺せなくなるので、体に細菌がつきやすく、感染症を起こしやすくなり、感染を起こすと、「腸炎」、「皮膚や粘膜の荒れ」、「高熱」、「肺炎」などが起こりやすくなります。

6.有棘赤血球
肝臓や腎臓の機能が低下して、体に毒素が発生すると、その毒素は血液に混ざり、写真のような有棘赤血球が発生すると言われているのですが、このような赤血球が発生する時は、肉体的疲労が激しい時や寝不足などで、腎機能が低下しているようです。

そして、この有棘赤血球が多いと、寝ても疲労が取れない状態になりますので、疲れは溜まる一方になってしまい、体内の免疫システムのバランスが崩れてきて、生活習慣病発生の原因になると考えられています。

最近の遺伝子工学によりますと、DNAには寿命があり、加齢とともにDNAのシッポが切れてきて、「シッポが切れる時が寿命の時」という説明がなされています。
しかし、ロックフェラー医学研究所のアレクシス・カレル博士は、我々に夢を与える実験結果を残してくれました。

それは、ニワトリの胎児の心臓組織からり小片を取り出し、それを栄養液に浸し、毎日、細胞から文筆された老廃物を取り除くと同時に、栄養液の入れ替えを行ったのです。
その結果、ニワトリの心臓組織は、驚くことに29年間も行き続けたのですが29年目に細胞片が死んだのは、助手が代謝で汚れた栄養液を入れ替えるのを忘れたからだったのです。

アレキシス・カレル博士は、この実験による化学調査で、「自家中毒」すなわち、自分の体内で発生した毒素によって中毒を起す、という傑作を作り上げ、「細胞は不死です。 細胞が浮かんだ液体が退化するのです。だから、この液体を定期的に取り替えて、いつも細胞が食べるものを与えるのなら、我々の知る限り生命の脈動は続くでしょう」と述べています。
これを人間に喩えて考えますと、我々の体を栄養液に浮かべる代わりに、「体内に栄養液を溜め込んで細胞を維持する」と考えることができますから、常に水分をきれいに保つ必要があるわけで、体内の水分(栄養液)が汚ます、「自家中毒」が起こってくると考えることができます。

体内の水分に関しては、中医学(中国の国医学)でも、「水毒」という概念があり、「どうしても治療がうまくいかない場合は、水毒を疑え」と言っています。
これは、明らかなる臓器の変調が診られない場合は、津液(しんえきと読み、血液やリンパ液、そして細胞内にある水分と考えてください)に、問題があると考えよ、ということで、カレル博士のこの実験は、中医学の「水毒」を証明しているようにも思えます。「細胞片が生き続けるためには、細胞片を入れてある栄養液を常に入れ替える必要がある」ということですので、細胞を若く保つためにも、常に新し養液を入れる必要があるということになります。

そこで、栄養液の中心となる「水」から考えるのですが、「水はあまりに奥深いので、一言で説明することはできません。
しかし、カレル博士の実験から学ぶことは、「体内の栄養を含んだ水分を正常に保つことが、細胞を若く保てる」ということで、血液像写真や虹彩分析写真と合わせて考えますと、

@ きれいな水を必要に応じて飲む。
A 血液を汚すものを食べ過ぎない。
B できればマクロビィオティックの原理に沿った食事をする。
ということが言えそうで、実はこれが「有棘赤血球を発生させない方法」でるのです。

7.バクテリア
血液の中に浮遊する異物にバクテリアがありますが、バクテリアは赤血球から栄養成分を奪ってしまうので、バクテリアが多いと、8.空洞化赤血球の真のように赤血球が「中抜け」になってしまいます。

中抜けになった赤血球は、当然ですが本来の機能を果たさなくなりますので、赤血球の働きである酸素の運搬ができなくなるわけです。こうならないために白血球が、バクテリアを食べていくわけですが、バクテリアが増えるのは、我々の実験によりますと、「生肉を食べた」(この実験では肉屋さんで「生レバ」 を食べてもらいました)時に増えていました。

白血球はバクテリアだけでなく、血中にある「糖」も食べますので、バクテリアも糖も過剰に食べている人は、白血球の元気がなくなってきます。
それは、アトピー性疾患の人や、アレルギー性疾患のある人の白血球を見れば、一目瞭然で、ひどい人になると、白血球が動物の「ナマケモノ」のような動きしかしないのです。

9. コレステロールが多い血液
「コレステロールとは、何か」と言うと、左の写真をご覧ください。
小さいプツプツは赤血球で、大きな石のように見えるのがコレステロールです。


10.巨大コレステロールの血液映像

これが血管に詰まると、梗塞や冷え性を起します。
コレステロールは、肝臓と小腸で合成されていますが、コレステロール値が高いと心筋梗塞や狭心症になる傾向があり、低いと脳卒中やガン、肺炎といった病気になる傾向があるるのですが、本来のコレステロールは、身体各部のさまざまな材料として使われますので、必要不可欠のものです。

例えば、コレステロールは細胞膜を形成したり安定させたり、性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどのホルモンの原料にもなり、血管の内側に張り付いて、血流のエロージョンから血管の保護の役目もしているからです。

コレステロールが恐れられる原因になるのは、肝臓や小腸でせっかく作られても、利用されず捨てられる量が多いと、一時的に蓄えられる胆嚢で、結石の原因となる時もあるからです。

また、コレステロール合成に働く、「酵素阻害剤」が投与されると、細胞膜の原料となるコレステロールが不足して、体中の細胞膜が弱くなりガン化しやすくなるという危険性が出てきます。

しかし、これらコレステロールに関する多くの問題は、コレステロールをコントロールする機能の低下によるものであり、機能が低下すると必要以上に血管に付着したり、付着したコレステロールが酸化したり、白血球がコレステロールを食べて、死骸が血管に固着して動脈硬化の原因となるからです。

「動脈硬化」と聞くと、「ああ、動脈が硬くなるのね!」と簡単に考える人も多いようですが、怖いのはその後で、コレステロールが血管壁にへばりつくと、アテローム変性(粥状隆起)というのが起き、血管壁が内側に腫れてきて、アテロームが血管を狭めれば、高血圧の原因ともなりますが、アテロームが剥がれて血管の中を流れていくと、毛細血管に詰まり脳梗塞の原因となるのです。

動脈硬化が進むと、筋肉や腱まで硬くなり、それら細胞の弾力まで失わせてしまいますので、老化とともに、ふくらはぎが細くなってきます。
息子や娘にスネをかじられたからではありません。(笑)

コレステロールを減らすにはどうすればいいかということですが、「コレステロールを多く含む食品を控える」というのは昔の説で、コレステロールは肝臓と小腸で合成されますので、肝臓の機能低下を起す少糖類(砂糖や果糖等)を控えることです。

※現代栄養学では、リンゴや柑橘類に含まれる「ペクチン」や「ビタミンC」等を強調する時がありますが、これはそれらの成分を、「単一成分」にして実験した結果であり、複合体としての果物はマイナスになります。

東洋医学では、コレステロール値の高い人の治療は、コレステロールが肝臓と小腸で合成されることから、そのコントロール機能を高めるように、肝臓と小腸を狙って治療し、レシチンの「コレステロール分解作用」と、繊維質で余分なコレステロールを排泄させる目的で、納豆や古漬けなどを食べてもらうように指導します。

高コレステロール値の虹彩写真が、虹彩学にあります。

ナマの血液顕微鏡観察より 予備実験と公開実験から

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巨針療法

巨針療法での治療

巨針は、長期の修練と、デリケートで
センスのある テクニックが必要です。
日本でも巨針を使える人は少ない。

 

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張先生に巨針をしてもらっているところです。

チチハルへ行った時に張先生に巨針をしてもらった時のものです。
中国では写真のように座位で刺針をしますが、針先が尾骨まで届きます。日本でも、特別の場合は座位で刺針しますが、一般的には伏臥で行います。

 

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頻繁に使う右の背中から臀部までの巨針。

一番頻繁に用いる方法で、肝臓の疲労(機能低下)が激しい人などは、巨針の途中で、「肝臓が動いているのが分かる」と言いますし、病院での検査数値も医師が驚くほど改善されます。

 

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膝痛への巨針は、すごい効果があります。

主に膝痛の時に使う鍼術ですが、この方法を使うようになってから、膝痛が比較的短時間で治せるようになりました。
 

巨針療法とは、古典で紹介されている九鍼の一つで、太くて長い金属で作られた針を一定の法則に従い、比較的長い距離に渡り(針は最長1mのを使う)、生体内に刺入し、一定の刺激を与え、生体の変調を整え、疾病の治療や予防を計る、高レベルの特殊鍼術です。

≪中国人民日報≫の記事によりますと、巨針療法の有効率の高さは、世界鍼灸師会の会長や中国鍼灸師会の長老からも高い評価を受けています。

巨針療法を修得するには、鍼灸に対する信念と、学ぶ忍耐と、患者さんへの強い愛情が必要です。
それは、修得するまでには長い年月が必要なことと、 時々、巨針療法を学んだことのない鍼灸師から、他愛ない理由で誹謗中傷されることにも耐える精神力が必要だからです。(笑)
しかし、私の20余年の治療経験によりますと、その治療効果と治療持続効果は、他の鍼では真似ることができないものが沢山あります。
その理由の一つは、巨針で治療をする場合は、多くが一回の治療で症状を好転させることができ、慢性的な疾患でも、二週間に一回の治療で済むからです。
二つ目の理由は、以下の古典≪難経八十一難≫に「虚実の診断が未熟であると、誤った診療を行う」と書かれているように、刺激量が若干強い巨針を使うには、巨針療法に合う診断技術が必要だからです。

ですから私は、「患者さんへの強い愛情」と、診断での虚実や治療での補瀉が理解できるまでは、巨針の真髄を教えないようにしています。

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難経より
八十一難:實實虚虚之誤
經言、無實實虚虚、損不足而益有餘、是寸口脉耶、
將病自有虚實耶、其損益奈何。
然。
是病非謂寸口脉也、謂病自有虚實也。
假令肝實而肺虚、肝者木也、肺者金也、金木當更相平、當知金平木、
假令肺實而肝虚微少氣、用鍼不補其肝、而反重實其肺。
故曰實實虚虚、損不足而益有餘、此者中工之所害也。

意釈
八十一難:実実虚虚の誤り
問うて曰く。
黄帝内径には、補法を用いて実証を治すこと勿れ、瀉法を用いて虚症を治すこと勿れ、不足をますます損じ、有余をますます益さしめる治療法を行う勿れ、と書いてありますが、これは寸口の脈について言っているのか、それとも疾病自体の「虚実」を言っているのか、またその「損益」の方法とは何を言っているのか、また、その損益の方法とは、何を指しているのか。

答えて云う。
この虚実の疾病は、寸口の脈だけを指して言うのではなく、疾病自体にも虚実があることを言う。仮に、肝が実し、肺が虚しているとすれば、肝は木に属し、肺は金に属しているから、肺金と肝木は必ず相関関係にあるので、当然、金が木を克することを知る。仮に、肺が実し、肝が虚しているとすれば、これは、肝気微少になっている状態であるので、鍼を用いて、その肝を補すことを知らず、逆に実している肺を更に補すようなことをすると、補法を用いて実証を治し、瀉法を用いて虚症を治す。また、不足をますます損じ、有余をますます益せしむと言った誤った診療を行うのは、たいした医者ではないのである。

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鍼灸治療の利点は、「診断即治療」で、その場で治療効果を確認し、術者も患者も納得できる治療ができれば、それに越したことはありません。
その納得した治療を施すには、経絡治療だけでなく、症状や状況に応じては特殊療法で対処することも重要です。

この巨針療法は、1989年に中国の斉々哈尓(チチハル)へ出かけて勉強してきたものです。また、巨針療法を中国から国外へ持ち出したのは、私が初めてでしたので、日本での普及を目指して研究を続けてきました。

その研究の途中で、「経筋腱収縮牽引(けいきんけんしゅうしゅくけんいん)」(即効療法新城理論)というのが生まれ、独自の診断法と治療法を組み立てることができ、その理論を用いて治療することで、即効的で持続性のある治療ができるようになりました。

冒頭にも書きましたが、 巨針を修得するには、それなりの信念忍耐と患者さんへの愛情が必要で、修得までの時間もかかりますが、自在に操作できるようになれば、即効的な治療ばかりでなく、なかなか手の届かなかった疾病でも治療できるようになり、かなり治療範囲を広げることができます。

この巨針を開発したのは、黒龍江省(こくりゅうこうしょう)斉々哈尓(ちちはる)市労働病院針灸科科長の張雲飛(チャンユンフェイ)先生という方ですが、巨針を開発するきっかけになったのは、先生の息子が小児麻痺になり、『何とか治す方法はないものか』と、心血を注ぎ、手製の太くて長い針を自分の太ももに刺し続けて研究し、最終的には特許取得にまで至りました。

そのような息子への愛情から生まれた治療法が、後世に伝わることを願いながら、長年巨針を研究してきたのですが、その途中で、斯界からの批判や中傷を何度も耳にしました。
しかし、常に「短期間に治す方法」を捜し求めていましたので、耳を閉ざして「技」の研磨に打ち込みました。

 

 

巨針療法での臨床 斉斉哈爾(チチハル)と当院にて

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経絡応用の診断と治療

経絡反射で臓器器官を整える

 

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1.経絡八卦展開図

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2.円盤八卦経絡図

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3.平面八卦経絡図

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4.経絡流注図

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5.経絡組合せ表

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6.テスト針表

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7.要穴一覧表

ここは専門的になりますので、予備知識が必要です。

「針灸の勉強は、ツボに始まりツボに終わる」と言われていますが、針灸診察をするにも、針灸治療をするにも経絡(人体を走行するエネルギーの流れ)と、経穴(エネルギーのポイントとなるところ)は、必要不可欠なものです。

その経絡を用いて病気の原因を探り、経穴を用いて治療を施すために、ここでは経絡を応用した診断即治療の説明をします。

最初に経絡の流れている順序の説明からしますと、左図は前ページで説明しました経絡八卦展開図ですが、下段の左右には、「任脈」と「督脈」があります。

そして、自然のエネルギーは常にスパイラル運動をしていますので、今度はそれをスパイラルを表す「円」に乗せるのですが、ここで条件があります。
それは、易の基本記号の爻(こうと読みます)である「−」と「--」の記号が相対応して並べなければならないということです。
それはなぜかと言いますと、相対応させることで森羅万象は安定し、自然は常に「安定」を求めてスパイラル運動を繰り返しているからです。

そこで、「−」の記号を陽(プラスとか、男と言っても可)の記号とし、「--」の記号を陰(マイナスとか、女と言っても可)の記号として、相対応するように並べてみますと、2.の円盤八卦図ができ上がります。

その円盤八卦図の、相対応した対面の卦同士を(爻が二つ以上になると、「け」と言います)平面にしますと、3.平面八卦経絡図ができ上がります。

経絡には「陽経」と「陰経」がありますが、「スタート」という現象は陰性のエネルギーである、拡散力の現れですので、任脈が陰性であることから、スタートは任脈(任脈と督脈は奇経という経絡に属しているので、ここでは任脈と督脈は除外します)の傍にある、「手の肺経」から始まり、「肺」と相対応する「手の大腸経」に流れます。
そして 、大腸経から戻ってきたエネルギーは、こんどは「足の脾経」に流れ、折り返して「足の胃経」を上昇してくるわけです。

その経絡の一連の流れをまとめたのが、4.経絡流注図(けいらくるちゅうず)で、赤い矢印の方向に沿って経絡は流注しているわけです。

そこで、経絡の流れを使って、診断即治療を行うには、やはり易の相対応している卦を用いて検討していきます。それは、「卦」で検討すると、相対応する卦というのは、相対応している同士を足すことで、初めて安定が得られるからです。 (両方足せば爻が6個になり、陽「−」の数と陰(--)の数が同じになり、安定した状態を示します)

その「安定の状態」を壊している経絡を整えれば、経絡がスムーズに流れ、気血の運行もスムーズになるので、疾病が治癒されていくわけです。

具体的に、4.経絡流注図で説明しますと、相対応している卦というのは、艮⇔兌、震⇔巽、離⇔坎、の三種類に分けることができ、それぞれを一つのセットとして考えるわけで、セットにしたものをまとめてみますと、5.経絡組合せ表ができます。

この組合せ表の使い方は、例えば、肺経の経絡上に病変がある場合、胃経の衝陽穴に刺針して変化を見ます。
その時、基本的には対側のツボを使いますが、効果がなければ同側にも刺針してみて下さい。それで変化があれば胃経も関係しています。

胃経の衝陽で変化がなければ、同じ太陰経の太陰脾経の太白に刺針してみます。太白で変化があれば、脾経も関係しています。

太白で変化がなかったら、大腸経の合谷に刺針してみます。合谷で変化があれば、大腸経も関係しています。

そのような方法で変化がありましたら、肺経と、変化のあった経絡に関係する臓器を狙って治療します。

そのいずれでも変化がなかったら、診察をやり直す必要があるのですが、時々胸椎上部や頚椎の問題が絡んでいる場合がありますので、その時は脊椎を整えた後に、再度診察します。


以下、同様の方法で、「右手大腸経の経絡上に病変がある場合は、左足脾経の太白」、「右足脾経の経絡上に病変がある場合は、左手大腸経の合谷」、「右足胃経の経絡上に病変がある場合は、左手肺経の太淵」と、それぞれ関連のある経穴に刺針して変化を観ますが、「少陰経と太陽経」、「厥陰経と少陽経」も、同様の方法で対側の原穴に刺針をして変化を見ていきます。

また左図の、7.「要穴一覧表」を参考にして、井、栄、兪、経、合、の五兪穴や、原穴、ゲッ穴、絡穴、兪穴、募穴の使い方に熟れると、もっといろいろなテスト針が使えるようになり、そのテスト針をそのまま治療として用いることもできます。

例えば上の、「5.経絡組合せ表」は、覚え方と使うツボですが、どの経に異常が出ているかを判断できれば、募穴を使ってもテスト針のようなことができますので、五十肩に天枢穴や石門穴、或いは関元穴や中府穴などに刺針や施灸をして、肩の変化を見ます。(その場合はそのまま本治法として使えます)

ポイントは、最初に行う問診ですので、その段階で、『どの臓器器官からの病変か』を考えておき、その診断を確認するためにも、テスト針を用いるのです。即ち、検算をするように「テスト針」を使っているわけです。

このテスト針を『診断ができないからテスト針を使うのか』と考えて、恥ずかしいことだと思う人もいるようですが、私たちは決して恥ずかしいことは思いませんし、むしろ「治療への正確さを期する」という意味において、このテスト針を使うことを誇りにさえ思っています。

経絡の使い方

東洋医学の原点は「易」です

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